今回はCOMOLYを通じたお仕事のご案内としまして、外部の法人様からご発注いただいた事例をご紹介いたします。
この度は、一般社団法人「OSDよりそいネットワーク」(以下、OSD)様よりご発注頂きました、団体紹介用三つ折りリーフレットのデザイン制作につきまして、 OSD共同代表理事の馬場佳子様にお話しを伺いました。
OSDは「8050問題」をテーマに、ベテランのカウンセラーと多くの専門家を集め、様々なご活動を展開されています。 2020年7月に設立から3周年を迎え、その間、運営メンバーと活動方針に変更があり、改めて紹介用リーフレットを制作する運びとなりまして、COMOLYへご発注いただきました。
それでは、インタビューさせていただいた内容をお届けします。インタビュアーは、COMOLYの運営責任者である山田が務めさせて頂きました。
OSDの背景と今後の展開
— この度は貴重な機会を頂き、ありがとうございます。では改めまして、OSDが設立された経緯について、詳しくお聞かせいただけますか?
はい。池田(OSDの共同代表理事で馬場様のお母様)は、数十年前に精神科に併設されていた相談室でカウンセラーをしていました。
当時は、「ひきこもり」や「不登校」という言葉すら無く、学校に行けない子供たちが親に連れられてきている、という状況でした。 その後、「SCSカウンセリング研究所」を立ち上げ、かれこれ30年以上、これらの社会問題に関わっています。
池田は、KHJ(日本で唯一の全国組織の家族会・連合会)の会長であった時期があり、当時から、ひきこもり長期化・高齢化の事は問題となっていました。
当初、親亡き後の当事者の拠り所として、家族会にお願いする案がありましたが、実際のところ、家族会の会員にそのような余力はなかったため、 別の専門的な団体を立ち上げる必要に迫られたのです。
その後、KHJの会長を退いていた池田が、当時の理事会の皆様から推薦される形で、私財を投じてOSDを立ち上げる事になりました。
— なるほど。OSDでは現在、どのような活動をされているのでしょうか?
まず設立した当初は、親御さんが亡くなった後の当事者の方が、安定した生活を送るための”基盤を整備するお手伝い”が目的でした。
ですが、健やかな生活の為には、それだけで済まない事がわかり、人とのつながりや、心のケアも不可欠ということで、親の学習会や、居場所のサロンなども開催する様になりました。
できるだけ親御さん、ごきょうだいなどの家族も一緒に、いない場合は友人や地域も巻き込んで、当事者はもちろん、周りの方々も生きていける”環境づくり”をメインのテーマに、場合によりますが、一番の鍵はやはり家族です。
きちんと互いに向き合うために会員制を導入してまして、申込者の割合としては、半数が親御さん、4分の1が当事者の方、もう4分の1がきょうだいなどのご家族です。
結果的にですが、家族関係がこじれているケースが多い一方、一番身近にいるのも家族で、一番影響が強いのも家族です。特に親御さんには 無条件に、「どんなことをしてでもこの子をなんとか元気にしたい。」と思える唯一無二の存在ですから、非常に重要です。
不安を抱える方に向けてカウンセリングも行っております。また、親御さんがお望みであれば、ひきこもり専門の家庭教師がおりますので、訪問支援にも対応させて頂いています。
— ひきこもり当事者の方だけでなく、そのご家族や地域の方も含めて、包括的にサポートしているという事ですね。OSDの将来のビジョンや今後の展開についても、ぜひお聞かせください。
現在は、新型コロナの影響で、お電話やメールの相談が増えている他、オンライン化などの対応で手一杯という状況です。 地方から頂くお問い合わせには、どうしてもお会いできず対応が行き届かないケースがあります。
まずはオンライン化の推進です。 講演会やセミナーなどの動画を見たいというお声や、カウンセラー養成講座についてのお問い合わせも頂いておりますので、随時、動画で配信しています。
また、ひきこもりに詳しいカウンセラーの不足から、これらを養成する講座を昨年の10月に立ち上げましたが、 こちらも、基礎編であるベーシックコースは、ZOOMでオンライン受講が可能となりました。
いずれも実践的な講座となっており、例えばベーシックコースは、カウンセラー志望の方だけでなく、ご家族や当事者、 コミュニケーションが苦手な方にも好評で、受講者同士で「傾聴」や自己開示をしながら、互いを認め合ったり、自身の再発見をする場ともなっています。
今年9月には、第1回目のプロコースがいよいよ開講予定で、初のひきこもりカウンセラーが誕生いたします。 今後は、特に不足している地方の方々にオンラインにて受講いただき、全国でひきこもりカウンセラーを養成していけたらと考えています。
また、「親亡き後のサポート」の充実が喫緊の課題です。 例えば、生活保護の受給のお手伝いもしているのですが、心の問題や、孤立しないためのサポートも必要です。
居住地の近くでないとダメなケースも多くあります。 社会参加の方法も、ケースや人によって様々なため、対応するバリエーションを増やしていかなければなりません。
そのために、社会福祉法人や自治体、介護事業所だけでなく、理解ある民間企業にもアプローチして打ち合わせを重ねています。 信頼できる提携先を増やしていきたいと考えています。
それからもう一つ、財産を安心して引継ぐための仕組みづくりです。 現在、”家族信託”という仕組みに多くの関心が寄せられていまして、実際に導入された会員もいらっしゃるのですが、 これを導入できないご家族も多いのです(具体的には、一人っ子や、ごきょうだいの関係が悪いケースなど)。
現時点では、商事信託といって、民間の信託会社に預ける方法しかありませんが、”みなさまが安心して預けることのできるところを”と、現在、模索中です。
心の問題から、社会とのつながり、お金の問題など、サポートは多岐にわたっているため、 とにかく日々、できることから粛々と進めているところです。
リーフレット制作依頼とCOMOLYへの期待
— OSDの取り組み、すごく良いですね。今後のご活動も楽しみにしております。 今回、COMOLYにご発注いただいたリーフレットについては、完成してみていかがですか?
依頼する際の不安は、特にはありませんでしたね。完成した新しいリーフレット、すごく良いと思います!
色合いとか、製作者の方の高いセンスが感じられますね。それと、やはり最後までサポートして頂いたCOMOLYさんのおかげだと思います。 細かい部分で、製作者の方にしっかりフォローを入れて伝えて下さって、とても助かりました。
新型コロナの影響で打ち合わせが出来ない時期もありましたが、掛かったお時間は全く問題ありませんでしたよ。 お値段もお安くして頂いて、どうもありがとうございました。
— そういっていただけて嬉しいです。技術的なフォローについては、製作者の方からも感謝のお言葉を頂きました。 それでは最後になりますが、今後、COMOLYにどのような事を期待していますか?
そうですね。一般的にも言えると思うんですけれど、ひきこもり支援の中でも、ITリテラシーの高い方がいてくれると、とても助かります。
今の社会の状況もありますし、IT関係でのお手伝いを、ぜひお願いしたいです。それも含めて、OSDの会員のご子息の方が社会進出する機会を作って頂きたいですね。
最初は仕事でなくても、ひきこもり当事者の方がご自身の興味や特性を活かして、輝ける場所があると良いですよね。 私の本業(不動産鑑定士)の方のデータ入力とかも、せひお願いしたいです。
— 承知いたしました!本日は貴重なお時間をいただきまして、どうもありがとうございました。
今回の記事は以上となります。お読み頂きありがとうございました。読者の皆様は、どのように思われましたか? 感じた事など、ぜひツイッターなどのSNSボタンから共有してみてください。